« 切りにくい・・・ | トップページ | 一般的な基準と厳しい基準 »

2025年6月10日 (火)

何をやっても無理な事はあります

刃物の歪の問題は、良く書いていると思いますが、本当に重要な問題です。

歪取りは色々な方法があり、その都度の状況に合わせ、適切な方法で行っています。

刃物によっては、専用の歪取りの方法もあったりするので、それらももちろん対応出来るように準備はしてあります。

歪取りに使う道具だけで、どれだけの金額と準備をしたのかもう忘れてしまいましたが、結構な苦労はしています。

話を戻しますが、歪取りで重要な事は、まず必要な精度に近づける事です。

真っ直ぐであれば真っ直ぐになるように調整をしますが、刃物によっては加工出来る場所とそうではない場所があり、出来ない場所は当然触らない方が良いので、出来る場所だけで何とかしていきます。

その時点でそれなりに合格な真っ直ぐが作れたとしても、加工で面を削ると、またそこから歪が出て来ます。

その都度で歪取りを加えながら、削りでの直しや調整を行いますが、最後に歪取りで終わらせないようにするのは結構な苦労があります。

なぜ歪取りで終わらせてはいけないのかですが、本来は加工で位置関係を合わせるのに、最後に歪があってそれを取り除いて終わらせるという事は、加工で出来た位置関係は実質崩れている事になります。

つまりそれは、歪が出た部位に対しての新たな歪の一つとも言える事になります。

その理解が無い方達が、出荷前に歪取りで終わらせて世に出した刃物が、お客様の元では精度不足や位置関係の崩れとして出てしまうのです。

その為、歪取りを最後の加工としない事は、面から研ぎを行うような刃物の場合には、大前提だと思います。

別件として考えますが、歪取りをしても上手く動いてくれない刃物や、歪取りは出来るけれど直ぐに癖で戻ってしまう刃物もあります。

これらは本当に厄介で、場合によっては破損に繋がりますから、加工は本当にやりにくいですし、直ったと思っても戻って来るようであれば、もうどうしようもない事です。

方法として歪取りで作った精度を、それなりに維持させる方法もあるのですが、それだと問題点も残りますので、そういった部分にご理解が無い方には提供が出来ない状態になってしまいます。

危ない感じがする刃物の場合、割れや欠けを取り除き、刃も潰してから、熱をそれなりに加えて温度を上げておいてから、歪取りを行いますが、それでも割れが出てしまう事は0ではないので、決して楽しくて気楽な作業ではありません。

しかし歪取りがそれだけ難しいので、その歪取りを幅広く対応出来る事で、それが強みになっている部分もありますし、歪取りは怖がってばかりもいられません。

まともなメーカーさんでは、そういった曲がり癖などがある製品は、除外をして販売をしていると思いますが、あるものを全てそのまま出しているだけの所では、状況を把握できていないので、そのまま商品化されていると思います。

余りにも癖が酷い場合には、早いうちにメーカーさんに相談をすれば、交換をしてくれる可能性もありますので、研ぎで形を崩す前にご相談される事をおすすめ致します。

 

« 切りにくい・・・ | トップページ | 一般的な基準と厳しい基準 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

研ぎ」カテゴリの記事

刃物」カテゴリの記事

砥石」カテゴリの記事