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2025年8月12日 (火)

研ぎは溜め水では行いません

開店当初からずっとお話をしてきて、しばらく書き忘れていましたが、今も守ってやっている事があります。

それは研ぎの際に、溜め水を使わない事です。

昔良く見かけたのは、プラスチックコンテナのようなものに水を溜めて、そこに砥石を浸しておいて、その水で刃物を研いだり、砥石を修正している状況です。

これは研ぎの世界では良く見られる事ですが、私はこういう研ぎは行いません。

考えれば分かる事ですが、研ぎ汁を含んだ水をすくって研ぎ水にする事は、砥石の#を無視して研いでいるのと同じだからです。

刃を付ける事は、刃を整える事でもあります。

その場面において、どの砥石から出た研ぎ汁なのか分からないものを使い、砥石を細かくして研ぎを進める事に、違和感は無いのでしょうか?

過去にこんなお話をしたら、研ぎ汁は重いから沈むので影響は無いのではないか?とおっしゃった方がいらっしゃいました。

果たしてそうでしょうか?

ではなぜ研ぎ汁は濁るのでしょうか?

浸している砥石にもその研ぎ汁は付着しますが、それをどうやって綺麗に流すのですか?

繊細な研ぎを行っている方達が、このような溜め水で研いでいる事を、私は一度も見た事がありません。

水道代が高くつくから避けるという意見も過去に耳にした事がありますが、このような要因を取り除こうとせずに良い研ぎが出来ません。

レバー式の水道にすれば、無駄に水を流す時間は減りますよね?

現代でも色々な方面で、この手の溜め水で研ぐ動画は多く出ているようですが、その方達が良い研ぎをされるとは全く思えません。

ここまでお話を聞いてもまだそういう方達が優れた研ぎをやっていると思いますか?

現代では色々な事が解明され、良くない事は除外していく事が可能です。

そして何より、経験をしてきたからこその答えもありますが、絶対に良い事は無いと言い切れます。

当店を昔からご利用のお客様なら、私が絶対という言葉を使う事はそう無い事をご存じだと思いますので、つまりそういう事です。

無意味な派手さで素人騙しをしている事を見るのではなく、技術の本質をしっかりと見てください。

技術の世界は見世物ではないので、くだらない事に時間を費やす暇などないはずです。

 

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