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2025年9月

2025年9月30日 (火)

当たり前の良さ

良い状況に研ぎ上がった刃物は、素直に気持ち良く使えます。

それに対し異常性がある切れ方は、研ぎとしてはやりすぎだと私は考えています。

いわゆる切れ味追及型の研ぎをされている方達は、それなりに多くいらっしゃいますが、損傷をしての修復可能率は極端に下がります。

無理な事をすれば、当然直せる可能性も無くなりますし、そもそも損傷しやすくなる事も考えると、刃物が長く使える要素を潰してしまっている事にもなりますから、刃物には良く無いと言えます。

本来ある形の中で、上手く調整を行いつつ研ぎを行うのが、本当に良い方向だと考えていますので、絶対にこんな事をやってはいけない!と言われる範囲に持って行き、この研ぎは良いでしょ?というのはおかしいと思っています。

そもそもそんな事をしなくても、上手く研ぎを行えば、当たり前に良さは感じられるはずなのですから、そこまでしないと良さを感じられないのであれば、研ぎや刃物の性能に問題がある事を疑う事になります。

 

2025年9月29日 (月)

切れ味が悪いとはどういう事なのか

刃物の切れ味が悪いと作業効率が落ちますし、素材へのダメージが大きくなります。

切れる刃物は素材への入り口を必死に探す事なく、狙った場所に刃が入る状態です。

それは鋭さという表現をする事もありますが、鋭角ならそれが確実に起こり、鈍角気味ならそれが起こりにくいという訳ではありません。

そこそこ鈍角でも、初期の刃の入りはさほど変わらず、刃が素材に入った瞬間以降、鈍角刃の場合には進みが悪いので、切り込みが少ないというだけの事です。

つまり、切断時に入り口を探すような状況は、刃が切れない要素を持っている可能性が高いという事です。

この状況を理解すれば、刃先を丁寧に形成し、刃の入りを良くする事が、如何に大切かが分かるかと思います。

僅かに鈍角に刃角を変更した程度で、全然切れなくなるような事はありませんので、まずは刃付けとは何かという所から知っていきましょう。

 

2025年9月28日 (日)

喜んでもらえるのが一番うれしいです

刃物研磨をご利用頂き、はっきりと喜んで頂ける事がほとんどですが、本当に嬉しく思っています。

努力や研究をして得た知識や技術を認めて頂ける事は、真面目に取り組んで来て本当に良かったと思えます。

難しい事例や新品製作の為に刃物を研磨するよりも、もっと大変な加工もそれなりにありますが、それらも努力の結果にご満足を頂けると、苦労して作業をした事は報われます。

仕事だからお金になればとただ作業する方々とは異なり、役に立つ事として研磨の世界を考えていますから、もっと幅広く深い世界でと日々思いながら、新しい事にもチャレンジをしています。

研究資料が増えれば、それだけ学ぶ事が増えますので、出来る限りの事案に対応をして行こうと思っています。

ご利用を頂く事でしっかりと成長をしていきますので、是非ご利用ください。

 

2025年9月27日 (土)

何度でも直しやすい仕上げ

包丁やナイフで良く行われる仕上げが、ヘアライン仕上げです。

これは簡単に説明をすると、同じ方向に線を付けるような表面の仕上げを指します。

荒いものから細かい物までありますが、中荒~中辺りの仕上げ多いです。

私も研磨の際には、標準をヘアラインとしていますし、お客様からのご要望もヘアラインが一番多いです。

磨きや鏡面などの光沢感があるタイプは、わずかな傷でも目立ちますし、中途半端な金属磨きを使うと表面が大きく荒れて見栄えが悪くなります。

ある程度大きく直しを行う場合に、表面の仕上げはリセットされてしまいますので、磨きや鏡面に直すにはかなり金額も上がる事もありますから、そういった意味でも実用品にはヘアラインがおすすめです。

ヘアラインは手で直接触っても手触りが良く、鏡面の場合に良くある切断物に出る張り付き感は軽減出来ますし、反射も少な目ですから目障りにもなりにくいです。

ヘアラインは安い仕上げ方法だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、このように実用性は非常に高い部分があるので、私個人としても好きで、自分の刃物だからと言って磨きや鏡面にはせず、ほぼヘアラインでの仕上げをしていますから、おすすめ度は高いです。

2025年9月26日 (金)

欠けを取り除くのは大変ですよね・・・

刃物を普段はご自身で研いで使っているけど、大きく欠けてしまって、自分では直すのが難しいと思い、ご依頼を頂くケースは良くあります。

私は特別大きな欠けは作った事はありませんが、それでも過去に手作業で研いで刃物を使っていたやっていた時代に、1mmくらいの欠けでも相当苦労しましたので、その気持ちは痛い程分かります。

刃を潰して欠けを取り除くだけなら、さほど時間はかかりませんが、それによって刃先が分厚く潰れた状態になり、それをまともな刃角に直しつつ刃付けを行う事は、本当に大変だと思います。

欠けは立てて潰し、そこに鈍角刃で誤魔化して使えるような刃物であれば、さほど苦労はしないかもしれませんが、多くの刃物は適正角の範囲が決まっていますから、そこに基準を合わせて正しく直す事を考えると、間違っても簡単とは言えないと思います。

その欠けの大きさにより、どのくらい直しが必要なのかは分かりますし、欠けが無かったとしてもそもそも適正角で研ぎが行えていたかどうかにより、直しの量は大きく変わりますが、その機会に綺麗に直すのも手だと思います。

そういった場合、機械での削りと磨きを基本として直し、そこにて作業で研ぎを加えて仕上げれば、新品時以降に一度も体感した事ないような、使い勝手と切れ味の良さでその刃物を使用出来たとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

一般的な刃物は、製造~出荷の為の研ぎで終わっていますから、そこから本当の意味で使えるようにする為には、まともな研ぎを入れ直す必要があるケースがほとんどです。

そう考えると、直しというよりも改善に変わるので、直した後の楽しみもあると思います。

 

2025年9月25日 (木)

ただいま改良中!

まず初めに、PC不調の影響で色々更新が止まっており、大変申し訳ありません。

まだ届く見込みがなく、現状維持のままですが、正直調子はだいぶ悪いです。

今できる対策は済んでいますので、いきなり電源が入らなくなる事は無いと祈りたいです。

原因は大体把握していますが、個人で何とかなる範囲ではないですし、年数もかなり使っていますので、仕方がないと思います。

さて・・・。

表題のお話にはいりますね。

何の刃物の話なのかを書くと、それはいつからですか?と連絡が来てしまいそうなので、やんわりとだけお話をさせて頂きます。

ある刃物の研磨で、現在改良を模索している範囲があり、そちらは金額を抑える為です。

ここ数年は特に、色々な物の価格がどんどん値上がりしており、同じ条件の中で価格を下げるのは困難ですが、根本的にやり方から変えて行けば、可能な場合もあります。

もし開発が進んだとして、結果が良い状況は維持したいのですが、それがどこまで出来るのかで、導入するかどうかは変わります。

あまりにも劣化し、それで安くなりました!では、そこに価値はないからです。

私が思う研磨や研ぎは、全てが最高峰である必要は無いと思っていますので、安い価格帯の研磨や研ぎに関しても、このように力を入れています。

このお話は、なんとなく目途は付くのではないかと思っているので、前向きに考えて研究をしていきます。

あり得ない額でとは無理でも、私個人としても可能な限りは価格を下げたい範囲でもあるので、頑張ってみますね。

 

2025年9月24日 (水)

高そうに見えて実は安いです

販売店や移動による研ぎを行う所は数多くありますが、その件に関しては何度も書いて来ました。

設備等がしっかりと整っており、職人と言える人がしっかりと作業を行える状況で無ければ、まともな研ぎを受ける事は出来ません。

分かりやすい所だと、ホームセンターで売っているDIY用の機械を使っていたり、砥石も安く性能が低い物を1~3丁程度で済ませていたり、そんなところを見れば一目瞭然です。

そういった所での作業品が、当方に修理として良く入って来ますが、ちょっと上手い程度の素人以下のレベルで作業をされているので、もう開いた口が塞がりません。

当方では、まともな機材をいくつも導入しており、砥石も常時数十丁は用意して相性に合わせて作業をしていますし、専門的な加工は当然行えます。

それぞれの刃物に対しての勉強や研究を重ねてきている事と、プロ向けに技術をご提供する事を主として活動していますので、素人を騙すような仕事はしていません。

近年では、そういったところも結構な金額を平然と取るようになったようで、コストがだいぶ高い当方よりも、作業代金が高い事もあるようです。

そう考えると、確実で安心してご利用頂けて、しかも金額は変わらない程度か安いくらいであれば、決して損は無いでしょう。

納期も近年は、一般刃物類で1週間程度とさせて頂いていますので、さほど長くは無いかと思います。

 

2025年9月23日 (火)

安定した刃付け

刃物研ぎは、一般的には刃付けをする事と思われていますが、研ぎは「修正整形、面付け、刃付け」などに分類されます。

大きく直す場合には修正や整形を行い、そこから必要な刃付けの段取り前までの面付けを行い、最後に刃付けの流れです。

これは表現としては色々な言い方があると思いますので、参考程度にお考えください。

今回お話するのは、あくまでも刃付けのみです。

研ぎが完成されており、最終的な段階として、刃付けを行う場面で、どうしても上手く刃が付かないという方は多くいらっしゃいます。

それまでの段階が問題無しという固定的な条件として見て、それでも上手く刃付けが出来ない場合、使う砥石や面直しであったり、研ぎの圧力が強すぎる事や、角度が一定化していないなど、それらの影響があると思われます。

必要最低限度の研ぎで、ほとんどのケースは終了しますので、あまりにも長い時間がかかる場合には、色々な問題が出てしまっていると言えます。

自分では出来ているつもりというのが、一番の失敗になりますので、毎回上手く安定して刃付けが出来ない場合には、不足が重なっているという事実を受け入れ、そこから改善へと進みましょう。

すぐに刃先に刃が綺麗に出ない場合には、それまでの流れが良く無い状態ですから、基本となる面付けや精度の問題から改善が必要になるので、しかるべき方に見て頂いて、正解へとたどり着いてください。

 

2025年9月22日 (月)

鋼材のランクだけで性能は判断出来ません

よく言われる事として、刃物を鋼材の種類だけで性能判断する部分があると思います。

基本性能としては、鋼材メーカーが推奨する焼き入れ焼き戻しの温度で加工されますから、その範囲内であれば大体似た感じはなるようです。

しかし、そこから上下に離れた場合や、時間によるコントロールが行われる事で、硬度や靭性には変化が出てくると言われています。

鋼系は特にその傾向が強く、同じ鋼品なのに全く別物として感じ取れるものは多数あります。

なまくらっぽいモノから、ガチガチに硬すぎるようなモノもあり、実は別の鋼なのではないか?と思ってしまう事も良くあります。

厳密な成分分析に出せば、本当に鋼材を偽っているケースもあり得ますが・・・。

鋼材のランク付けが良くされていますが、実は少し下のランクの鋼材でも、鍛造や熱処理によっては、非常に良い性能を出している場合もありますし、逆に上位ランクの鋼材でも、本当に良く出来たモノ以外は、良いという判断が出来ないような部類もあります。

この辺りは数を触った経験がある方っであれば、納得出来る所もあると思いますが、少数しか触った事が無い方には分からないかもしれません。

本当の意味でお客様に良い物をすすめてくれる所を探す事から、まずは必要になる事が、一番の問題点だと思いますが、良し悪しを明確に伝えるだけの知識と経験が無い所も多いので、実際に使う側としての能力にも特化した方でなければ、安心して話を受け入れられないというのはあると思います。

 

2025年9月21日 (日)

簡単ですか?

刃物の研ぎを自分でやってみようかと悩まれている方から、色々とご相談を頂く事があります。

研ぐのは簡単ですか?と大体聞かれますが、今より切れるようにするまでなら、さほど苦労はされないかと思います。

大体の角度と動かし方だけ学べば、研ぐ事の初歩の事はクリア出来るはずです。

その先には、砥石の#(メッシュ、荒さ)をいくつか使う事や、刃を全体的にしっかりと付けられるようにするなど、どんどんハードルは上がっていきます。

それ以上になると、どんどんレベルが上がってきて、ただ刃を付けるのではなく、意味のある刃に変えていく事が必要になります。

簡単かどうかと聞かれると、簡単とは決して言えませんが、初歩の初歩だけ乗り越えれば・・・という所だと思いますので、ご興味がある方はやってみるのも良いと思います。

 

2025年9月20日 (土)

もうそろそろ・・・と言いたいところではあります

一部の常連様のみ、条件付きでお受けしている作業の一つとして、左利き刃物の研磨があります。

この件は何度も書いて来ましたが、たまに問い合わせがあるので、今一度書いておこうと思います。

一応左利きも作業は出来ますが、右利き刃物程のレベルでは作業が出来ないので、基本的にはお断りをさせて頂いています。

販売品の左利き刃物は、右利き刃物よりどうしても劣るものがほとんどですが、これは通常右利きがベースに作られている為です。

左利きの刃物の作業は、正確に同じようにとお行うためには、全て左手で行う必要性があり、両利きの方が作業をやったとしても、利き手が右の場合には、やはり右の方が上手く出来るでしょう。

左右で全く遜色ない作業が出来る方を探すより、左利きの方が左利きの方に向けて研ぎを行う方の方が、確実で良いとは思っています。

もちろんその方が、右利きの研ぎの上手い方と同じレベルで、左利きの研ぎが出来ていればの話です。

そうでなければ、私が左利きの刃物の研ぎを行った方が、仕上がりは良い可能性もあります。

そのくらいの所まで一応作業は出来ますが、完全に左利き用の作業が出来ると表現が出来る状況ではないので、とどまっているというのが現状です。

左利き刃物の販売や研磨に関しては、業界では多くが倍~3倍の価格設定となっているのがほとんどです。

刃物を扱う中で、利き手に左右される刃物を使う業界の場合、左利きの方は一生高い金額を払う必要がありますので、右利きの方以外はそういった業界に進む事は正直おすすめしません・・・。

2025年9月19日 (金)

最近は動きが見られません

刃物と砥石は色々な進化をしてきましたが、ここ10年は大きな動きはあまりありませんでした。

良く言えば、それだけ完成された製品が売られているのかもしれませんが、悪く言えば、開発がされていないか遅れているとも捉えられます。

この辺りをどう考えるかですが、一部では新しい鋼を使った刃物が出回っていますし、それに対して砥石も高性能化が必要になっている部分もあり、相性を合わせていく為には、それぞれが一緒に成長していくことも大事だと思っています。

特に砥石に関しては、刃物の先を見据えての開発が必要だと思っていて、近年のステンレス鋼や粉末鋼に対しての能力を考えると、追い付いていない部分も多く見られるのと、楽に早く綺麗に仕上がる為の製品造りは、もっと必要だろうと思っています。

砥石は一時期、凄く硬い方面へと需要が変わっていた時期もありましたが、近年で人気なのは中硬~少し硬めだと思います。

あとは砥石の密度にもよりますが、無駄に砥石が減らない事や、それでも研磨力をどれだけ残せて、研ぎ上がりが安定しているのかという、なんとも難しい分野が砥石の世界です。

私は特に砥石には注目をして、今まで研究を進めて来ましたので、砥石の性能を生かして研ぐ為には、安心して任せられる砥石が必要だと思っています。

仕上がりが良い事は大前提ですが、その為に速度や研ぎ味を捨てたくはないので、そのバランスを兼ね備えた砥石が時代に合わせて作られていく事を、いつも心待ちにしています。

新しい研磨剤の開発でもされないと、新しい砥石はなかなか出てこない可能性もあるので、素材の部分から開発がどんどん進む事も必要でしょう。

私のような研ぎを行う者からすると、砥石は本当に大事な道具ですから、今後も高性能な製品が出てくる事は、いつでも楽しみにしています。

 

2025年9月18日 (木)

だいぶ涼しくなりましたね

真夏の一時期よりは、だいぶ気温が下がってきました。

夜間は毎日熱帯夜でしたが、クーラーが無くても過ごせる日もありますね。

研磨や研ぎの作業は、体を使っての仕事ですから、真冬でも結構汗をかくことがあるくらいなので、真夏はそれなりに過酷です。

だからと言って、クーラーで冷やし過ぎれば体には良くないですし、丸一日ほぼつけっぱなしで電気代も凄い事になってしまうので、なるべく弱くつけています。

あとは扇風機でなんとかカバーする程度としていますが、それだと汗だくで顔が真っ赤になっている事もあるようです。

その暑さから解放されると、ようやく作業がはかどるようになります。

真夏は頑張っても作業が思うように進まない事も多いのですが、質を落とさない為にも、無理をせずにスピードより質でやっています。

 

2025年9月17日 (水)

より安い方がいいですか?

刃物研磨の代金は、年々上がって来ています。

それは機械類や道具類など、価格の高騰の影響もありますし、人件費や作業をする人の生活費の事もあるからです。

より安ければ安いだけ良いと考える気持ちも分かりますが、安くすればするだけ、良い仕事は出来なくなります。

機械やそれに使う部材の質によって、作業の質も変わりますし、砥石も同じです。

高性能な物を使い、それを上手く生かしていけば、それだけ良い仕事になります。

その為のコストと思えば、安く提供を望み過ぎる事で、質は当然下がりますから、決してラッキーでは無いと思います。

こんな時代だからこそ、安くご提供をと思う部分もありますが、その為に質を落とすとして、そんなに大きく落ちる方向で安く作業をして、それに価値があるのか?と考えてしまう部分もあります。

一般のお客様の中でも、自分は良く分からないからとおっしゃる方もいらっしゃいますが、だからと言って手抜きをするような事はありませんし、段々と良い状態に慣れると、自然に良さや違いが分かってくると思っていますので、同じような金額であれば、凄く良かったと言って頂ける作業をと思っています。

 

2025年9月16日 (火)

和包丁は短めに

30年程前だと、和包丁の基本サイズは、懐石の場合で柳刃などの刺身系が尺一が基本とされ、寿司やカウンター仕事で尺と言われました。

現代ではそれよりもサイズが小さくなり、懐石系で尺、寿司系で9寸~尺と言われます。

当時は誰もが尺1を使っていた印象もありますが、実際に研ぎのご依頼やご注文では、尺が増えていますので、この流れはやはり変わったのでしょう。

長めの包丁は、大きく柵取りをするなど、一気に切りたい場合には有効ですが、それ以外の場面では、そこまで長さが必要になる事はありません。

それだけ現代の研ぎは、当時よりも当たり前に切れる方向へと進化した事で、無理に大きく長くという刃物の力を必要としなくなっているとも言えます。

実際に現代の刃物でそれなりに研ぎが入れば、端から端までの長さを使うような切り方をしなくても、十分に刺身を綺麗に切れます。

使い方次第との声もありますが、基本の研ぎがそれなりにされてさえいれば、長さに頼る必要が無い事は確認されています。

柔らかい素材の切断では、切り滑りが起こらないよう、刃先は無理に細かくしない事と、丸っ刃にならないような研ぎを行えば、実際にそれだけで実用性は十分に出て来ます。

カウンター仕事などで包丁作業をよりお客様に良く見せる意味では、長い刃物は良いのかもしれませんが、実際に長さが長くなればなる程に、刃先のブレが大きくなりますから、より繊細な切断からは遠ざかるのは間違いありません。

腕や指先の延長線上に対し、どこまでその刃物が存在しているのかで、仕事の良さは決まると考えられる部分は大きいと思いますから、無駄に長くする事はマイナスとなる事もあるでしょう。

 

2025年9月15日 (月)

やはり鋼?

包丁分野では、ステン系がかなり流行っている印象が強いです。

水回りで使う刃物として考えると、サビにくい方が使いやすい部分はありますから、そういう方向へ行くのは必然ではあるのかもしれません。

昔のステンレス系は、全く使い物にならないと言われるような性能でしたが、それが段々と良くなった事にも影響されているでしょう。

最初はシャキッとした刃になりにくい事や、組織が荒く刃持ちが良くないなど、その辺りの問題でステンレス系はどうしてもメイン用にはならなかった印象があります。

近代のステンレス系は、だいぶ刃の性質は良くなり、組織は細かく、はっきりした刃が付きやすく、刃持ちも良くなりました。

本当に良質と言えるステンレス系の包丁は、金額もそれなりに違いがありますので、気軽に購入するのは難しいと思いますが、鋼の上質な本焼を購入する事を考えると、そこまでの差では無いと思います。

それ以外の部分を見ると、ステンレス系は硬く研ぎにくい事などもありますから、そこをどのくらい許容できるのかという部分も考慮すべきでしょう。

極限を求めた場合、今の所はまだ鋼の本焼を超える滑らかな切れ味は無いとも言われていますし、研ぎ味や研ぎの時間の部分を考えると、鋼の本焼に軍配が上がるとも言えるでしょう。

結局は何を優先するのかで選択肢は変わってきますから、ご自身が最優先とするものを良く考えて、好みで選ぶと良いと思います。

腕だけでカバーできない範囲があります

刃物の切れ味に関して、こだわる話が非常に多く出ているのは、それだけ刃物の切れ味が重要だからです。

腕があれば刃物は確かに特別な活躍はしてくれますが、それ以上に刃物の切れ味が良い事で、誰もが作業性や結果に近づける事が可能です。

特にここぞという切れ味が必要な場面で、腕があっても切れ味が良く無い刃物を使用していれば、少し腕は低くても切れる刃物を使用している方の方が、間違いなく上に来ると言えるでしょう。

だからこそ、皆が競い合うように、良い刃物を探し続けて、更に切れ味を求めて研ぎを重要視しています。

良い刃物がそこにあっても、研ぎが良く無ければその刃物は生きません。

研ぎの役割は実際の所、刃物以上に必要とされますから、刃物だけにお金をかけても、その恩恵は受けられませんし、本当に良い状態を知らなければ、その刃物を持つことも勿体ないままで終わります。

切れ味を一言で説明する事は出来ませんし、刃物ごとに必要な要素も異なるので、一概には固定的な話は出来ませんが、使用環境とマッチした研ぎが出来れば、良い刃物の性能と合わせて、非常に素晴らしい結果をもたらせてくれるはずです。

その刃物のその使用方法に対し、どんな刃が必要なのかを考え、それに合わせた研ぎが出来れば、何よりも強い味方になります。

 

2025年9月14日 (日)

今欲しい物

私は普段から料理をします。

常連様や以前からこのブログをご覧の方は、ご存じかと思いますが、昔は調理業界で働いていましたので、それなりには今でも料理は作れます。

仕事用として所有していた包丁は、20丁くらいありましたが、それらを家で使う事はほぼ無く、家では家庭用を別に用意しています。

そうなると仕事用の包丁は勿体ないと思う方もいらっしゃると思いますが、必要な時には出して使っていますので、決して無駄にはしていませんし、色々な意味でのサンプルや検証としても使う事はありますから、性能を良く知る刃物としては持っている事に意味があります。

多分使う事よりも、そういった検証の意味の方が強くなっていますが、ここぞという時はプロ用の包丁は必要になるので、まず使わないだろうと思う包丁以外は、今後も残しておこうと考えています。

話を戻しますが、包丁を家庭用と使う場面で、包丁を直ぐ使う為に置いておく場所を、今後増やそうかと思っていて、今は牛刀とペティの2丁のみ、私用として出してありますが、今後可能であれば3~5丁置けるようにと思っています。

牛刀とペティはいずれもステン系で、性能もそれなりの物ですから、それ自体に不満はありませんが、刻み作業や繊維が少し硬い素材を切る場合、粉末系の相性が良いので、まずは一丁、粉末系の牛刀か三徳をと考えています。

牛刀の長さは元々21cmの物ですが、何年も研いで使っているので少し短くなっていますから、折角ならと24cm辺りを狙っています。

比較的気軽に使える金額で、色々と調べていますが、金額が高いか長さが短いかで、理想的なものがありません。

予算として10~30万かければ、理想的なものは手に入るのですが、先ほど書いたようにあくまでも家庭用としてなので、そこまでのものは買おうとは思えません。

何を優先すべきかで、ある程度の妥協は必要になりそうで、悩むところです。

理想的なものが今後見つかれば良いのですが・・・。

2025年9月13日 (土)

改めて実感

私は仕事の中でも刃物を使う場面は良くあります。

例えば、日本刀の拵の修理では、切出小刀や鉋を使います。

木材相手で切れ味が悪い刃物を使うと、直ぐに表面はザラザラやボロボロになってしまいます。

どうしても逆目での作業が必要な場合が多くありますが、もし切れ味が悪い刃物で行うと、想定より食い込んで割れにも繋がります。

切れ味が良い状態で、無理に切り込むような使い方をしなければ、大きくダメージを与えるような作業にはなりません。

木材が劣化している場合は、自然に裂けるような状況にもなりますから、特に負担なく切れやすい状態を作ってあげる必要性があります。

その他にも、はさみやカッターなどは良く使いますが、これらもそのままではなく、定期的に研いで使っていますから、作業性は非常に良いと思います。

色々と忙しい時期は、自分の刃物のメンテナンスに時間をかけられないので、そのまま何とか使うか、簡易的なメンテナンスで済ませますが、基本的には時間をかけてしっかりと良い研ぎに繋げています。

出来れば自分の使う刃物の環境は、文句なしの状態でいつも使いたいと考えています。

 

2025年9月12日 (金)

一番難しいのか・・・

刃物研磨でどんな案件が難しいですか?と良く聞かれますが、これは人によって異なると思います。

私の場合には、なまくら刃物が一番では無いかと考えます。

なまくらとは昔から良く言われる刃物が柔らかい状況で、焼が入っていないような硬度が出ていないものを指します。

日本刀業界では良く使われる言葉ですが、多くの方がご存じではあると思います。

なまくらが難しいのは、一般的な刃物と同じように研ごうとしても、まともに刃が付かない事です。

焼き入れと焼き戻しにより硬度硬度を得た刃物は、砥石を使わなければ研げませんが、なまくら刃物はヤスリでも簡単に削れてしまうくらいなのっで、砥石っで研ごうとすると荒れてしまい、刃先の形成が難しいです。

完全になまくらと言えないような状態でも、普段使っているような砥石で普段通りに研ぐと、結果は相当酷くなりますから、使う砥石の選定は難しくなります。

そんな刃物の研ぎは受けないという選択肢はもちろんありますが、古くから使われてきたもので、大切にしているというお話があれば、結果は良くならない事をお伝えしても、多くは出来る限りでやって欲しいと言われますから、ご依頼を頂いた以上、出来る限りの事はしたいと思います。

もし、それなりの刃付けが出来たとしても、永切れどころか、少し使うだけで刃は落ちてしまうと思いますが、それでも了解を頂ければ作業はさせて頂きます。

ちなみに、例えば一流メーカーが自社製品のみで刃物研磨を受けていた場合、私のようなお話になる事はまず無いはずです。

そんな製品を販売したとなれば、大きな問題になっていますし、そのような製品が出回る事はまず無いでしょう。

大量生産のメーカーでも、それなりに名のあるところであれば、そこまでのものは販売していないと思いますから、それも無いでしょう。

簡単にクネクネ曲がるような刃物は、基本的には買い替えをおすすめしますが、こういう事もあるというお話として、少し書かせて頂きました。

 

2025年9月11日 (木)

一つのやり方が完成

以前に何度か書いて来ましたが、洋包丁をの身を薄くしての色々なテストは、ようやく完結しました。

結果としては、検証に関しての十分な結果は得られました。

一部の方々にはこの技術は生かせると考えられますし、刃物の性能次第では、特に良いという評価も得られるでしょう。

食材割れを防ぎつつ、切れ味と強度を保持する事は難しいので、刃物の性能とプラスして、使用環境や使用者の使い方に左右されますし、扱いには厄介さもあると感じる方もそれなりの割合でいらっしゃるはずなので、本当の意味で繊細に使える方限定とも言えます。

刃物は一切傷まずに使える!という方であれば、全く問題にはならないでしょう。

必ず真っ直ぐに刃を使う、叩きつけない、どこかにぶつけない、硬い物を切らない、こじらない、保管管理は完璧に行う、など、これらは必須条件になりますが、それらをしっかりとクリア出来る方であれば、特別感は得られるでしょう。

ちなみに、丁寧という言葉を使うと、丁寧=ゆっくりという意味で考える方がいらっしゃいますが、そうではありません。

速さに比例してこれらの可能性が上がると考えられる方には、得る物以上に失うモノが増えますから、決しておすすめは致しません。

 

2025年9月10日 (水)

まだ継続中です!

9月1日のブログに書いた内容は、今の所、内容を継続中です。

一部終了時期が早まる可能性の範囲もありますので、ご利用をご希望のお客様は、お早めにご利用ください!

 

2025年9月 9日 (火)

しばらくHPの更新が止まるかもしれません・・・

昨晩にPCに不具合が起こり、なんとか復旧させましたが、もう長くはもたないと思います。

新しいPCが届くまで1ヵ月以上かかる可能性があるようで、届いて普段通りに使える状態になるまで、そこから更に時間が必要です。

その間は大きな更新は難しくなる可能性があります。

また、早期に動かなくなった場合、予備のPCも一応ありますが、そちらはだいぶ古くてスペックも低くて信用ならないので、場合によってはメールの返信等はモバイル機器から行う可能性があり、リンク先等を貼ってのご案内は難しく、簡単な対応までとなる可能性があります。

今の所はなんとか使えていますので、負担をかけないように使って行きますが、状況が状況なのでご理解を頂ければと思います。

なお、お客様とのやり取りのメールはクラウドでの扱いとなっている為、消えてしまう事はありませんのでご安心ください。

可能性としてのお話ではありますが、ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、何卒ご理解ご了承の程宜しくお願い申し上げます。

 

2025年9月 8日 (月)

PCの調子が悪いです

PCが夜から急に不調になり、余り状況は良くないようです。

出来る限りの事をやってみますが、だいぶ長く使っていますので、修理に出してもかなり高額になりそうですし、だったら買い替えするしかないでしょう。

一応ご報告までに・・・。

2025年9月 7日 (日)

新商品をUPしました!!!

「当店で加工を行った刃物」に新商品をUP致しました。

尺の柳刃となりますが、前回とは身幅や厚みや鎬位置が異なります。

どちらかというと、直ぐにメイン使いに持ってこれるバランスになっていますので、直ぐにメイン使いに出来る柳刃が欲しい方おすすめです。

刃付けは軽く小刃での刃付けとなっていますが、一般的な小刃とは異なり、当店での小刃はかなり小さいので、そのままでも十分にお使い頂けると思います。

今後の刃付けや修正修理も問題なくお受け出来ます。

裏押しも綺麗に出ていますので、通常は仕上げ砥石で刃返りを取る程度までとすれば、大きく状況が悪化する事は無いでしょう。

HPのメールフォームか、通販の直売サイトからご購入頂けます。

店頭で実物をご覧になって、ご購入をと思う方は、早めにご連絡ください。

先にご購入の連絡が来ていなければ、ご来店日までは商談中とさせて頂き、在庫保持を致します。

 

2025年9月 6日 (土)

期待通りにならない事はあります

プロが研げばどんな刃物も・・・と期待される方もいらっしゃいますが、それは刃物が刃物として成り立っている場合です。

条件が一つ二つと悪くなるにつれて、良い結果からは遠ざかって行きます。

超低級刃物に期待を持つ方もいらっしゃいますが、硬度や組織がダメであれば、細かく研いで使おうとすればするほど、悪い状況が目に付くようになります。

もしもそれなりに良い刃を付けられたとしても、切れ味が全く持続しなかったりが当たり前なので、大きな期待をする事は出来ません。

数万数十万の刃物に対し、最安値のような刃物類がもし勝つ事があれば、その高級刃物には何も価値は無く、ただのぼったくりになってしまいますが、未だかつてそのような逆転劇はありませんでした。

もちろん高級刃物の中にも、良くない物は多く存在していますので、絶対に高級刃物は高性能だとは言えないでしょう。

無理に背伸びをする事は、凄い事ではなく、無駄な労力と研ぎに変な癖や考えをつけてしまう事にも繋がるケースが多いので、それ相応の刃物を購入して、それを上手く生かす事を考えましょう。

 

2025年9月 5日 (金)

整えすぎると無駄になりますがどうしますか?

和包丁は歪が出やすく、研ぎも崩れやすい傾向にあります。

そんな中で、裏押しをやりすぎている場合、正しい状況に持って行こうとするとかなり削らないといけなくなります。

歪取りを行い、歪んだままで研いでしまった状態のズレを機械で削り落としますが、その時に精度を出そうとするのは当然ながら、裏鋤(うらすき、鋤くとは削って凹みを付ける事です)をどこまで行うのかで、刃物の寿命が大きく変わる事もあります。

裏の基準となる精度が出ているとしても、裏鋤の中に凸凹が出ている場合、それを気にするのが一般的ですが、刃先付近だけ鋤作業が出来ていればそれで良しとおっしゃる方もいらっしゃいます。

それは刃物の寿命を気にしての事で、将来また削る可能性を考えると、その時に直せるように削りシロを残しておくという選択でのお話です。

これが全鋼や本焼のように、一枚鋼の場合には影響はあまりありませんが、霞の包丁は鋼が薄く入っているだけなので、そう何度も大きな修正修復は行えないというのが現状です。

少し崩れた程度で早めに軽く直すのであれば、意外と何度も直せるものですが、大きく崩れた状態や、裏押しを多くやりすぎてベタ研ぎのような状態に近づけてしまう方は、そもそも直しシロが無い可能性もあります。

この辺りはやってみないとという所なので、お客様の判断におまかせしますが、特に霞の方は研磨のご依頼の際には、依頼先に細かく相談をする事をおすすめ致します。

元々の製造時に鋼が異常に薄いものもありますから、そもそも最悪刃先に鋼が出てこないという事もあるので、その辺りは賭けになってしまう事もあるかもしれません。

 

2025年9月 4日 (木)

手が込んだ作業をしていると数が出来ません

刃物の修正修復の研磨から入り、各部を調整しながらの研磨を行い、最後に手研ぎでの最終的な精度を出すようなやり方は、かなり時間がかかります。

機械加工だけでもかなり時間はかかりますし、そこからの手研ぎは特に時間もかかりますが、必要に応じて機械加工に戻って調整をやり直しますから、簡単な事ではありません。

一般的には機械加工が終わると、その先は機械刃付けが行われます。

もしくは手研ぎの場合でも、機械加工に戻る事は無いので、その時ある状態の中での刃付けのみです。

それだと精度が足りなかったり、少し研ぎ進んだ状況で悪化する可能性があっても、そこはスルーされてしまいますが、当方ではそこまで考えての加工を行うので、だいぶ違いがあると思います。

機械加工のやり直しが無い場合もありますし、通常時で多くて3回くらいまで直した事もあります。

あまりにも曲がり癖が強いものだと、5回以上直して出来る範囲までと諦めた事もありましたから、刃物はただ削れば直るものでは無いというのも分かるかと思います。

それらを無視しての研磨や研ぎは、どれだけ楽な事か・・・。

特に和包丁の場合には、片刃でバランスも崩れやすいので、直しを重ねる可能性は高い方です。

ある程度の曲がり癖を考慮し、反対側へ強めに動かして置いたら、意外と全く戻って来なかったり、当初と変わらない程度まで戻ってしまう事もあるので、直しをどこまでやるかは本当に難しいです。

一般的な加工のされ方だと、20本は直せるとして、当方でこのような加工をやっていると、2本出来れば良い方という事も普通にあります。

元々の状況を把握しているお客様からは、良くここまで・・・と喜んで頂けますし、使用でのストレスが無くなったというお声も多いので、使い手側が苦労しない為の研磨は、役立っていると実感しています。

そこそこだったとしても、これ以上は・・・と良い所で作業を止める事は大事ですが、そのこれ以上をどこに基準とするかでも、このような結果の違いがあります。

個人店でしか出来ないような事ですから、そういうモノを望まれる方は、是非当店をご利用ください。

その時に出来る限りの事をやってお返しいたします。

 

2025年9月 3日 (水)

想像以上に使える砥石です!

当方で販売中のNSK工業のダイヤモンド砥石ですが、こちらはレジンボンド系の物になります。

他には砥石用としては、電着ダイヤやセラミックもありますが、それぞれで特性が変わります。

電着ダイヤは回転工具系に良くありますが、こちらは基本一層の使用でダイヤは終わりです。

初期の使い心地から終了まで、ダイヤの突起具合がどう出るかでも研削性は変わりますが、比較的荒いものに適しています。

地金付き刃物や、本焼などの焼きの入っていない鋼部を研ぐ場合、ダイヤが抜け落ちてずっと刺さったままになる可能性があるので、ダイヤの角がある程度落ちるまでは、極力使わない方が良いです。

鉋用に作られたシャプトン社の「空母」に関しては、刃物修正面から簡単にダイヤが抜け落ちるような事はありませんでしたので、鉋での使用では問題無しだと思います。

電着ダイヤで研いだ刃はかなり荒れが出ますので、見た目は揃っていたとしても、そのままで刃として使用するのはおすすめ出来ないので、必ずその先に1~2段階は、確実に研げる人造砥石で研いで、刃を綺麗に揃えましょう。

セラミック系は有名メーカーからも一時期少しだけで回っていましたが、製造が難しいようで現在は高評価のセラミックダイヤ系は流通していません。

研削性は高く、ダイヤ層が再生して次のダイヤが出てくるので、面直しと目立てさえしっかりと出来れば、非常に早い研ぎは可能ですが、研ぎ目は荒れた感じになりやすく、目の揃いはあまり良くない傾向がありました。

早さと研ぎやすさでは、セラミック砥石に近いのがセラミックダイヤなので良いと思いますが、とにかく製品の選択肢が無いので、これ以上のお話は特にありません。

レジンボンド系は、滑らかで傷目も優しく揃いやすい反面、研削性が低い傾向がありました。

特別研削性が高い製品は、商品に表示された#よりも、実際はかなり荒かった事もありますので、細かい方面だと滑っているだけで研げないような事も多く見られ、ダイヤモンド砥石を使う意味はどうなのか?と思う製品まで当たり前に販売されていました。

しかし当方で販売中のNSK工業のダイヤモンド砥石は、研ぎ味にこだわり、違和感なく研ぎ目も揃いつつ、研ぎが進む所が今まで良く見られたレジンボンド系とは大きく違いがあります。

私は当初、特に包丁系での販売をメインにと考えていましたが、現在は幅広い刃物に対しておすすめが出来ると考えています。

包丁分野では、特に大変だと言われる粉末鋼やステンレス鋼の全鋼品など、その辺りには特におすすめしています。

荒砥~中砥クラスで2~3丁用意すれば、下地研ぎで困る事はまず無いです。

中仕上げ~超仕上げクラスは、切れ方の好みによりますが、1~3丁用意すれば、どんな刃物の研ぎにでも対応は出来ると思います。

ダイヤモンド砥石はコスト的にどうなんだ?というお声もありますが、コストを気にするなら、人造砥石をご選択ください。

ダイヤモンド砥石の方が、結果としてコスト的に安くなる事は無いでしょう。

ただ硬い刃物の場合に、砥石の乗りが悪く研ぎが進まないなどの苦労からの解放や、砥面の面修正の頻度が低くなるなど、楽に研ぎが進められるきっかけとなるものです。

それを高いと思うか安いと思うかは、人それぞれだと思いますが、私は昔からダイヤモンド砥石には注目をして長く使ってきていますので、必要かどうかと言われると、少なくとも持っていて損は無いとお伝えをしています。

ちなみに私の仕事の中でも、ダイヤモンド砥石は多く使用しており、ダイヤでしか出来ない研ぎというものも完成させているくらいなので、研ぎがつまらなくなるとか、無駄な出費になると感じた事はありません。

私が過去から色々な製品を試してきた中で、一番のレジンボンドダイヤと呼べるのが、このNSK工業のダイヤモンド砥石です。

なお、当店で試し研ぎが可能なサンプルのご用意がいくつかありますので、普段お使いの刃物を持参して頂ければ、その研ぎ味と研ぎ目のご確認を頂けます。

現行品と比べ、多少改良が加えられている部分はあるかもしれませんが、製品の傾向と性能の基本部分は十分にご体感頂けるでしょう。

※ダイヤモンド砥石の使用は、普段精度の低い砥石で適当に研いだ刃物をお使いの場合、人造砥石のように砥石が刃物に寄せて形を合わせてくれませんので、まずは刃物の面の修正を行ってから、それなりの精度の基準を合わせてから使用するようにしてください。

その辺りからの対応も含め、当店ではセットで可能ですから、刃物の精度の確認や、必要に応じての修正整形を行ってから、ダイヤモンド砥石の使用をおすすめしています。

 

2025年9月 2日 (火)

それぞれの鋼材の切れ味の違い

刃物に使われる鋼材(鋼)は、か数えきれないほどの種類が製造されています。

業界によって使われるメイン鋼材は異なりますが、包丁関連で皆さんが良く耳にするのは、白紙2号、青紙2号、モリブデン鋼、銀紙3号、V金10号、この辺りでしょう。

他にも有名どころはありますが、どこかのサイトで刃物を検索して、使用鋼材の情報を見た時に良く目にすると思います。

なぜ使われる率が高いかですが、それは市場の評価の高さが影響していると思います。

あとは鋼材から刃物へと製造する時のコストの関係もあると思います。

気軽に扱いやすいとされる白紙2号(白2)は、本当に良く出来ている刃物の場合、繊細さや刃持ちなども良く、とにかく気持ち良く切れるのに、研ぎやすいというイメージでしょう。

それに対し青紙2号(青2)は、硬度が高く感じて耐摩耗性も高く、研ぎでそれなりに時間がかかると思います。

よく言われる切れ味と永切れのバランスで言うと、青2の方が良いという声も多い気がしますが、研ぎでの苦労を考えると、白2に軍配は上がりますから、頻繁に研いで刃を良く保ちたい方と、一度じっくり研いで永切れして欲しいという方で、好みはあると思います。

ちなみに包丁分野では、私は白2の使用率が高いですが、これは研ぎの面白みのようなモノを学んだのが、白2だったからというだけで、今後鋼の包丁を買おうか?と迷った時は、多分青2をまず候補に挙げるかもしれません。

また、モリブデン鋼(モリブデン)は30年近く前に流行ったと言われているステンレス系鋼材ですが、その当時は他には銀紙3号(銀三)が主流であり、そちらはサビにはかなり強いものの、切れ味が出にくかったり、比較的硬めの刃にはなっていたと思いますが、少し薄めの刃にするだけで刃先の強度が弱くなり、刃先にまくれが出やすいという例もあり、組織の繊細さもあまり感じられないという方が多く、それと比べると繊細さがあったのがモリブデンでした。

確かにそこそこ細かく研ぎを入れた場合、モリブデンの方が滑らかに切れる感触があり、使用感もしっとりとしつつ少ししなりを感じるような刃でしたから、洋包丁類や家庭用包丁では需要は高かったと思います。

あとは切れ具合で好みは分かれましたが、和包丁関連では銀三の方が好まれていたのですが、モリブデンは刃持ちが悪く、銀三は刃先を薄くさえしなければ刃持ちは良かったので、その辺りが影響していたと思います。

現代での銀三の評価を単発で見ても、当時よりは良くなっていますので、鋼材が改良されたか、製造の技術が進んで良さを引き出せるようになったのか、その辺りの影響だろうと考えています。

モリブデンと銀三に次いで出て来たのが、V金10号(V10)ですが、こちらは出てきた当時から評価が高く、繊細な刃付けもそれなりに可能で、切れ味や刃持ちも良く、家庭用~プロ用まで、幅広く使われるようになり、現代でもV10はその存在感を残したままです。

このようにして書くと、〇〇の鋼が良い!、〇〇なら大丈夫!、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私がここでお話している内容は、あくまでも傾向でしかありません。

鋼材が本当にそれを使って製造されているのかは不明ですし、製造方法によって鋼の性能は良くも悪くもなりますから、購入した製品が必ず良いと感じられるかどうかには直結しません。

ここまで良し悪しを語ってきて、どん底に叩き落すようなお話かもしれませんが、刃物とはそういうものです。

近年では、大量生産品の性能も良くなってきていますから、大量生産より量産、量産より少数生産が絶対に勝てるとは、必ずしも言えない事も出てきているのではないかと思うくらいです。

ですから、中途半端なレベルの包丁をそこそこの金額で購入するのであれば、レベルの高いものにしっかりと金額を使って安心感を得た方が良いと考えます。

そこまで求めないのであれば、量産クラスのモノで、メーカーのこだわり(柄やハンドルではなくブレード部)が強く出ている製品を購入すると、十分な満足生えられると思います。

ちなみに今回、粉末鋼系のお話を入れていないのは、粉末鋼は使う方を選ぶ事が多い為で、平均的な話には含まない方が良いと考えた為です。

今後別の機会で、粉末鋼のお話を書く事はあると思います。

 

2025年9月 1日 (月)

今月はお得な内容がいくつかあります!!!

9月はこのブログのUP~9月の未定まで、全ての刃物の研磨などの技術のご利用に対し、1割引のサービスを行います。

通常通りにお見積りをお作りしまして、そこから作業代が1割引きとなります。

対象外となりますのは外注作業を含む場合で、それ以外の当店内の作業範囲は全て1割引きの扱いです。

送料やその他に必要な料金等に関しましては、お客様負担となりますので、予めご了承ください。

今回このサービスに至りましたのは、HPやブログはご覧頂いていても、まだご利用を頂いた事が無い方も多くいらっしゃるかと思いますので、この機会にまずはお試しでご利用を頂きまして、今後も末永くご利用を頂ければと考えた次第です。

なお、今までご利用のお客様も、同じように作業代金から1割引きとなりますので、遠慮なく是非ご利用ください。

「9月の未定まで」とさせて頂きましたのは、万が一、ご依頼が多く来過ぎてしまった場合には、刃物のお預かりで保管場所が不足となってしまう為で、ご依頼の状況により、急に終了となる可能性がありますが、予めご了承くださいませ。

 

次のお得な内容ですが、当店で販売中の「子の日」の包丁に関してですが、9月中に当店でご注文の確定(ご注文&お支払い済み)を頂きました方には、ご注文の包丁をお渡ししてから半年以内の研磨のご依頼で、特別な内容の研磨の代金(他作業や送料は除く)をサービスとさせて頂きます。

「半年以内の研磨代金サービス」に関してですが、一回のみご利用可能で、今回特別に設定をしました研磨として、「和包丁は研ぎ面の機械修正と手研ぎの刃付け」で、「洋包丁は刃先付近の機械修正と手研ぎの刃付け」が対象です。

いずれの研磨も、包丁の種類や長さによりますが、痛みが大きく出ていない場合で、2000円程度~の作業分が無料となる計算です。

一瞬で目に付くような欠けでもない限りは、その料金内で行います。

もしそれ以上の修正修理が必要となっていた場合には、和包丁と洋包丁と共に、お見積りから2000円を引いた額でのご請求とさせて頂きます。

まだ価格表や内容の変更が追い付いていませんが、ご希望の包丁をお伝え頂ければ、お見積りは直ぐに作成ができますので、是非ご注文ください。

 

これらのサービスをご利用頂くには、最初のお問い合わせ時に「9月1日のブログを見た」旨をお伝えください。

お伝え頂かなかった場合には、通常通りの対応となりますので、予めご了承ください。

今後のブログにて、このようなサービスのご案内が行われる可能性がありますので、必ずチェックをお忘れなく!!!

ブログを継続的にご覧頂く事も、合わせて宜しくお願い申し上げます。

 

最後に、日本刀の販売も行っており、現在は個人売買の一振りのみですが、上質な美術刀としての日本刀の販売があります。

この期間は同じように、お安くご提供をと考えておりますので、是非ともお買い上げを頂ければ幸いです。

今後の入荷はもうありませんので、この手の日本刀としては最後の一振りとなります。

 

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