質の低下
量産~大量生産の包丁を販売している海外メーカーの一部上位製品は、日本国内で製造されています。
一部では販売当初、かなり宣伝が行われて、鋼材も特殊なものを使用した事で、特に有名な製品になったものもあります。
比較的早い段階で、私は仕事でそれらを見る機会があり、実際に研磨の経験もそれなりにありましたので、性質や仕上がりを見ていましたが、多少の歪はありましたが、実用には問題ない範囲ではありましたし、売値で考えると決して高くはないだろうと思っていました。
最近その製品の新品を新たに見る機会があり、仕様は変わって無いのかな?と確認をしたところ、鋼材や造りは当時と一緒でした。
そのままで十分な性能と需要があったのでしょう。
しかし残念ながら、ブレード部の研磨に関しては、削りでの凸凹が残っていて、磨きも不安定で列が揃っていないですし、左右の形状もバラバラで、言うならば歪だらけでした。
平型の砥石やベルト機を使って削れば、こういう感じにはならないのですが、磨きも荒目の物から縦で回るタイプで部分当てをすると、このような状況になります。
もちろん上手い方がやれば、ここまでの凸凹は出ないと思いますが・・・。
これは、世界的需要に合わせ、生産を増やした事が要因なのか、職人が育っていないのか、作業工程や時間の削減によるコストダウンなのか、その辺りは分かりませんが、初めて見た時の良さは感じられませんでした。
ハンドル部に関しては、過去の製品よりもバランス良く削られており、綺麗に削りと磨きは入れられているようですが、この手の加工をした事がある方にしか分からない範囲で、ところどころに実力不足は感じるところはあります。
年々値上がりを続けていく刃物業界ですが、この製品も近年は特にやはり価格は上がりました。
今思えば、販売開始当時に買っておけば良かったかな?と思う所もありますが・・・。
歪取りも削り直しも磨きも、私は自分で行う事が出来ますので、正直あまり気にしませんが、一般のお客様っでリピーター様がこれを手にした時、質が落ちたと感じるのではないかと思うと、少し残念に思います。
年々質が上がるメーカーもあれば、年々質が下がるメーカーもあります。
他にもそのメーカーでは製品の種類がだいぶ増えていますし、売り切れもかなりあるようなので、世界的に人気なのは十分理解をしていますが、無理に質を上げないにしても、せめて維持はしてもらいたいなと思います。
刃の性質で言えば、特別な良さは出ている製品だと思うので、今後も頑張って生産をしてもらいたいと思います。
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