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2025年10月19日 (日)

鋭さを保てるなら・・・

切れ味と比例するとも言われるのが、刃の鋭さではありますが、これには色々とデメリットもあります。

近年の切れ味を売りにした包丁を見ると、量産メーカーでもかなり鋭角気味の刃になっています。

思っていたより直ぐに切れ味が明らかに落ちたと感じた事があれば、その系統の可能性があります。

もちろん、まな板の硬さや、扱い方の丁寧さの影響もありますので、研ぎだけの問題ではない場合もあります。

完璧に左右均等に・・・とはいきませんが、一般的な使用範囲だとあまり気付かない方もいらっしゃるレベルなので、そのくらいでも問題にはならないのでしょう。

鋭角にすれば確かに初期の切れ味は上がります。

しかし刃の強度自体は、当然明確に落ちますので、そこまでして切れ味を無理に出そうとするのはどうなのか?というところです。

包丁の場合だと、全体の厚みを残して鋭角気味にすれば、研ぎの幅は広がったように見えますが、薄い身に鋭角気味の刃をつけると、小刃研ぎのような状態に近く見え、まさかそこまで鋭角だったとは・・・と、確認をしてから気付く事もあるかもしれません。

色々なパターンでの研ぎはもちろん実験済みですが、これらは鋼材や硬度や用途により、相性が大きく異なってきますので、何に対して切れ味を感じたいのかで、おすすめ出来ないパターンはかなりあります。

包丁での切れ味は、刃の厚み自体は薄めの方が抵抗感は減り、刃角は鈍角気味で小刃を付けた方が、切りやすく刃持ちも良くはなります。

ただし、刃の厚み自体が薄くなると、力業で使うような切断の場合、刃先だけではなくもっと上の方まで、刃がまくれた感じで波打ってしまう事もありますので、使い手がどれだけ繊細に使えるのかにもよりますから、通常はこの手の研ぎは提供すべきではないでしょう。

洋包丁系で多くの場合、刃先だけを研ぎ続け、刃先の厚みが邪魔になるので、厚みを削り落として欲しい(厚み抜き)という感じのご依頼が良くありますが、その時にどこまで削り落とすのかは難しい問題です。

身幅の3分の1の刃先側を落とすか、5分の1で落とすか、場合によっては2分の1や3分の2もあります。

その辺りは好みにもよりますし、ご自身で研ぎを行う方に向けての研磨だと、なるべく初期は刃先を薄めにしておいて、小刃研ぎを多く重ねられるようにと考えての作業をする事も多いのですが、それでも薄すぎると思う方と、もっと薄くても良かったと思う方がいらっしゃると思っています。

根本的に包丁の場合、薄身が好きな方と厚身が好きな方がいらっしゃるので、そこをまず基準として考える事も出来ますが、今まで経験のない方面にやりすぎると、良い意味での驚く結果になれば良いのですが、悪い結果になる可能性もあるので、近年では最低限度のラインは保持をして、限界を超えるような際どい作業はしないようにはしています。

以前にも書いた事がありますが、包丁を薄く削る加工は、通常レベルの刃物だと色々な部分で難しいので、プロ向けの物を対象として、あとは使い手側がそれを扱えると認識をお持ちの方にのみ、特注としての加工を行わせて頂く事になります。

使い手を選ぶこのような設定は、それなりにリスクが多くありますので、通常ある中での状態で上手く使う事をおすすめしています。

硬い物は切っていないのに、大小関わらず欠けを毎回作ってしまうような方は、使用中の問題だけではなく、保管管理の問題もあると思いますので、こういった薄い刃にする事は向いていませんので、絶対にやめましょう!

 

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