経験から来る予感
刃物には色々な曲者があり、厄介さや作業が不可能を状況をつくり出してしまう事もあります。
先日も1件そのような刃物がありました。
熱処理による硬度が高すぎる事と歪の出方からして、歪取りを行えば亀裂や割れや折れが起こったり、もし成功しても見事に戻ってくる癖があると読んでいましたが、正にその通りでした。
もしこれが全鋼品であったら、ある程度は直せたと思いますが、もし精度を重視した製品化をと思うなら、これは販売してはならない部類になると考えます。
そうはいっても、世の中にはこの手の刃物はかなりの割合で出回っていますので、避ける事は難しいかもしれません。
この手の刃物は、良い刃さえつけられれば、性能は出しやすいケースもありますが、そもそもの精度問題があるので、綺麗に研ぐ事自体が難しく、実用品として安定した使用環境を作る事は難しい状態です。
歪取りが成功し、癖を潰す方法も上手く行けば、使い物になる場合もありますが、それは稀なケースとも言えるでしょう。
手が付けられない状態の場合には、諦めるしかありません。
直せるものなら直したいと思う気持ちはお客様と同じように強いのですが、最初から難しいと私が思う状態のものは、やはり高確率で難しい状況であると思います。

