砥石

2024年4月17日 (水)

丁度話題に出ましたので・・・

つい最近の事ですが、お客様とのやり取りの中で、ヘアライン仕上げについて、話題が出ましたので、少しお話をと思います。

磨き作業の一つですが、線を揃えるように付け、それを仕上げ目とする事です。

加工のやり方であったり、刃物の性質、磨きの下地具合、磨きに使う機械部材、等によっても、見た目は色々と変わります。

それらをコントロールする事で、同じヘアラインだとしても、色々な仕上がりを作る事が出来ます。

包丁関連では、特に洋包丁で良く使われますが、荒目~中荒くらいがおすすめです。

また、和包丁の場合でも、汚れ落としや削り目の目を揃えたり、磨き作業としても使われます。

削りだけでヘアラインを作ろうとすると、可能ではあるのですが、表面はザラついて荒れますので、同じような荒さであっても、磨きでのヘアラインにする方が良いでしょう。

当方で可能なヘアラインは、大まかに見て、7種類くらいあります。

自分で気が付いていないだけで、今前やった事があるというだけのものを含めると、もしかしたらあと2種類くらいは追加出来るかもしれません。

これは下地の具合と、仕上げのやり方の組み合わせによるもので、刃物や鋼材や硬度などによって、使い分ける為に用意してあります。

ほとんどは決まった範囲でのみ、仕上げを行っていますので、ほとんど使わないものもあるのですが、相性の問題があるので、幅広く用意が必要です。

同じ#の物でも、傷の付き方が異なりますし、効率も全く違うので、効率重視か仕上げ重視か、それによって変える事ももちろんあります。

そんなに種類が必要なのか?と聞かれると、多分必要は無く、2種類くらいでも十分仕事としては使っていかれるでしょう。

あとは、ヘアライン+磨きの組み合わせで、違った表情を出す事も出来ます。

ヘアラインも磨きの一つと考えますが、別の磨きを組み合わせる事で、同じような目なはずなのに、違った表情を見せる事もありますので、それもやってみる価値はあると思います。

 

 

2024年4月16日 (火)

決まった原理の中に収めないといけない刃物

刃物の研ぎは自由です。

誰が何に対しどんな研ぎを行っても、それは個人の自由です。

しかし、仕事で刃物を扱う場合、どうしても基準のようなものがあり、その中で収めないといけない刃物も存在しています。

説明をしなくても、大体の想像が出来た方もいらっしゃうかもしれませんが、2枚刃ものには自由度はありません。

1枚刃の場合には、その研ぎが使い物になれば、なんとか使えてしまう場合もありますが、2枚刃の場合、合わさり方の問題があり、刃の作用の仕方もそれぞれの刃物で異なるので、その基準だけは避ける事が出来ません。

もしそれを無視してしまった場合、それは刃物としての役割を全く担えない状態になると思ってください。

なので、2枚刃に関しては、ご自身で何らかの加工を行わない事をおすすめ致します。

何となかるだろう!やってみよう!の結果、取り返しのつかない事になります。

それは直ぐにやってきます。

そうなってしまうと、大々的な修復が必要になるか、買い直しになる事もありますので、そのちょっとの思いが、後で大きな痛手を負います。

もちろん1枚刃でも、基準とされるような研ぎから外れれば、どんどんおかしい事になっていきます。

その主な原因は、砥石の面修正です。

研ぎを行う為には、砥石が必要で、砥石の面に合わせ、刃物は形を変えていきます。

これに関しては、研ぎのご依頼を頂いた時に、本来はこうなるはず・・・と思われる状態があるのですが、砥石の当たり方が明らかにおかしく面に出ますので、これは直ぐに分かります。

極端に低い場所があると、そこは当ててはいけない領域で、砥石が当たらない領域でもあったはずなので、その時点で研ぎの流れが良くない事は直ぐに分かります。

何事にも、決まり事が色々ありますが、最低限度の保持は、必ず必要です。

2024年4月15日 (月)

制限があると厳しいです

以前も同じような内容を書いた事がありますので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

刃物の状態が悪く、研磨のご依頼を頂く際に、色々と条件がつけられてしまう事があります。

例えば、ここの面はこのままで一切触らないで!や、この面のここだけ削ってそれ以外は加工しないで!など、そういった感じのものです。

これらは一部の例ですが、一般のお客様だけではなく、業者さん経由の依頼でも、そんな感じで制限ありの場合もあります。

例えば、一切の歪が無い高精度で、そこだけを加工出来る例も当然ありますが、部分的加工を行うと、その部位だけを削る事で、他との位置関係がズレてしまうので、形がおかしくなったり刃線が崩れます。

また、反対側の加工だけで直せる場合もありますが、片側のみの加工を行うと、刃物は動きがあり、歪が出て来る場合もありますし、そもそも加工を禁止された面が、削りが必要な場合もあるので、それをスルーしての仕上げは、かなり無理があります。

元の状態が綺麗な面は、残したい気持ちも分かりますが、片面の加工だけであっても、磨きの段階で裏側に傷が飛ぶ事は普通にあります。

それらを含めて考えると、良い結果にならない可能性が高い事は、ご理解頂けるかと思います。

どうしてもの場合で、こちらからこうなりますよ!や、こうなっても責任取れませんよ!とお話をし、それを受け入れてくださるのであれば、そのようにしますが、やはり大体の場合は、ああやっぱり駄目だった!となり、作業をしている私自身も、結構残念に思う状態になりますので、そういった悲しい気持ちになる部分も・・・。

加工の面数が増えると、料金が上がるのが理由かもしれませんし、見た目を維持したいというのもあると思いますが、こういった理由からも、加工に制限がありますと、実用品としての状態を維持できなくなります。

歪取りをすれば、どうしても色々と小傷はつきますし、それを同じ面の中で慣らす程度は、少なくとも必要になります。

細かく調整が必要な歪取りをすれば、意図的に傷が入るやりかtをしないと、まともに効果が現れない場合もますので、それを削ったり磨いて表面を慣らす事も必要になりますし、むやみやたらに削ったり磨いたりしないとしても、必要な作業になります。

そもそも、歪取り自体、どこかに基準を作って合わせますが、それの影響により、反対側の面が一緒に動く訳ですから、その面の構成が今度は合わなくもなります。

初期状態から、色々と大きくズレがあり、それが致命的な場合もありますので、出来る限り直そうと思ったら、全体に手を入れる必要もあったりします。

歪問題は刃物にとって、実はかなり重要な部分で、基準が出ていない物は、もちろん良い方向にはいきません。

歪が出たままで研いで使われていたものは、歪取りで直すと、当たらない部位や、本来は当たってはいけない部位も出てきます。

こうして色々な事を考えて頂ければ、制限が実用品へのマイナスにしかならない事は、ご理解頂けると思います。

出来る範囲を定められた状況では、そこから正しくただ削って研いだとしても、かえって悪化させる可能性もありますし、むやみに寿命を縮めるだけでもあるので、その辺りも十分に考慮の上で、ご依頼の方向性を決めてください。

出来る限りならやりますが、状態が悪いものだと、そこそこであろうという所までですら、加工を終えられるか分かりませんので、お断りをさせて頂く事もあります。

研ぎにくい場合や使いにくい場合は、ただ刃が付いていないだけではなく、歪の影響や、研ぎで必要な要素を崩してしまっている事もありますので、それらの確認も含め、ご依頼を頂けると今の状況がどうなのか、知るきっかけになると思います。

これらが実用品への研磨や研ぎには必要な事です。

 

2024年4月14日 (日)

どちらがお好きですか?

刃物は色々なタイプが販売されています。

その中で、良くお話の話題になるのが、切れ味と永切れの関係です。

・研ぎが行いやすいが、永切れはさほどしないもの

・永切れはするが、研ぎはだいぶ苦労をするもの

この二つがあったとします。

あなたはどちらが好みですか?

一番の理想は、研ぎやすく、永切れする事ですが、そんな都合の良い話は、基本的には無いのです。

更に切れ味の良さも含まれると、研ぎと永切れがあり、それに+されて考えなければならないので、好みに近いものを探すのは、相当苦労すると思います。

私自身は、使い手側の意見も多く含まれますので、研ぎで苦労しすぎるものは、実用から遠のくと考えています。

研ぎが大変だと、ついつい手抜き研ぎをしてしまいがちで今回は忙しいから!とか大変だらか!と言い訳をしてしまう可能性も出てきます。

そうなると、段々と使い勝手も落ちてきて、自分で直すのも難しくなって、扱いに苦労しない物を手に取るようになります。

研ぎが楽だったとして、あまりにも刃持ちが悪すぎると、頻繁に研ぎが必要になるので、それもまた大変ではあります。

だからこそ理想を言えば、バランス良くある事なのだと思いますが、それもまた難しいのが現実です。

何かに特化させすぎれば、何かが失われますし、もしすべての理想を多く兼ね備えた物があれば、それは今度、金額の問題も大きく出て来る事になります。

理想論を言うときりが無いのですが、これは良い!とご自身で思う刃物があれば、いずれ無くなる可能性もありますし、年数を使って研ぎ続ければ、いずれ小さくなりますから、複数本を購入しておくことをおすすめ致します。

時代が変わって、必要無くなる事があれば、売りに出して違うものを購入すればよいので、今までの傾向からすると、あの時のあの刃物・・・と思った物は、後にレア化している事も多いですし、買っておいて損は無いと思います。

 

2024年4月13日 (土)

薄い刃が必要です

料理で包丁を使う場面として、硬い野菜があります。

かぼちゃ、レンコン、ニンジン、サツマイモ、等、この辺りは綺麗に切るのが難しいです。

良くあるのは、食材が割れてしまう事で、これは他の食材では起こらなくても、これらの野菜でははっきりと出る事が多いです。

野菜を沢山切った事がある方は、大体の想像が出来るかと思いますが、問題点は刃物の厚みです。

硬い野菜の場合、切断時に食材の押し開きが難しく、刃の厚がダイレクトに影響し、切断しながら割れていきます。

こればかりは、腕の問題や切り方の工夫でも、回避は出来ません。

硬い食材こそ、刃の厚みをしっかりと付け、角度も鈍角にしないと、刃が持たないと思っている方も多いと思いますが、食材を傷めてしまい、まともに料理に使えなくなる事を考えると、刃持ちは諦めて、そういった食材専用の研ぎが必要になるでしょう。

身をただ薄くするだけでは、もちろん強度が異常に落ちてしまいますから、薄くすれば良いという事でもありませんから、その設定はかなり難しいです。

しかも、刃とブレード全体で見て、左右のバランスが悪いと、片側に刃が動こうとして、それもまた割れの影響になります。

実際に使用の場面になった時に、色々気にしながら、三徳や牛刀などを使ってみてください。

他の野菜では問題がなくても、その辺りの野菜では、結構な違いが出て来ると思います。

お金をかけずに安心して使える環境を整えるとしたら、安い三徳や牛刀を購入して、それを改造して使うのが良いかもしれません。

そうすれば、通常の範囲の使用に十分使える設定の三徳や牛刀は、現状維持が出来ると思います。

 

2024年4月12日 (金)

ブログをご覧頂いてありがとうございます!

最近はお客様から、あまりネタにして頂けないブログですが、ブログの内容を見てのご連絡を頂きました。

時間が無い中で、なんとかこうして色々と書いていますから、読んで頂いて反応をしてくださるのは、本当に嬉しいです。

ブログは時代遅れで、今の時代は、SNSで画像とちょっとのコメントで十分!と、良く言われていますが、それでは伝わらない事の方が多くあるでしょう。

グダグダと長い文章を書いていたとしても、そこまで書かないと伝わらない事も多いです。

むしろそこまで書いても、まだまだ足りていないと思う方もいらっしゃるでしょう。

細かいお話がいくらでも出来るのが、刃物と砥石と研ぎの世界です。

その何とも面倒で難しい世界を、どのように簡単に考えられるようにし、確実に仕上げて行くのかは、今後の課題だと思っています。

環境を整え、道具を整え、技術を身に着けるとなると、どうしてもハードルは高くなりますよね。

難しいのは、高いレベルを望む事であったり、右も左も分からないからこそ、先が見えなくて難しいのです。

出来るようになると、なんであんなことで苦労してたんだろう・・・と、思うような事はあると思いますし、それは研ぎの世界でも同じです。

プロの目から見て100点を貰えないとしても、実用性能や機能性を高めた研ぎが出来れば、それは十分な評価に値すると思います。

そこに達するまででも、遠い道のりかもしれませんが、まともなその道の方から、色々な事を教われば、あとはご自身のセンスや才能の問題です。

年数もそれなりにかかると思いますが、進められる所までは一気に進めて、あとは気長に向き合いながら、改善をしていくしかないでしょう。

あとは、高額の加工機械を何台も持っていないと出来ない事はかなり多くありますし、機械があっても使いこなせなければ出来ない作業も多いので、そういったところまでは、なかなか難しいと思います。

 

2024年4月11日 (木)

どうしようもないです

新品で購入された刃物が、どんな研ぎ方をしても、刃先がボロつくという事で、見てもらいたいとお話を頂く事があります。

残念な事ですが、ほとんどの場合、熱処理や鍛造が良くない場合が多く、今現時点で刃先となっている範囲は、使い物にならないと思ってください。

内部までダメな場合もありますが、ひとまず刃先付近に期待は持てません。

特別ぶつけたとか、コジるような作業をした訳ではないし、新品状態で刃の性質が不安定な場合もありますので、こればかりは仕方がないです。

そこから欠けをひとまず潰し、更に数ミリ単位で減らしながら、刃先を薄くしていって、適正角での刃の具合を見ても、ポロポロと刃先がこぼれ落ちる感じがあれば、交換をしてもらうしか無いでしょう。

特に硬度に振り切った熱処理となっているのは、意図的な場合と、結果的にそうなっただけの場合と、色々あるとは思いますが、完璧な温度管理でもされない限りは、勘で作ればこういう事はあります。

それと、鋼のロットの問題で、良し悪しがあるのは有名な話なので、丁度悪い鋼に当たった可能性もあるかもしれません。

その後、誰かがおかしいと思って、その刃物を販売から省いていたとしたら、何も問題にはならないのですが、おかしいと思わなかったり、おかしいと思っても省かないで、バレなければラッキーの販売をしているとしたら・・・。

色々と憶測で考えてしまう部分もあるかもしれません。

しかし、事実はその刃物が物語っていますので、購入先に相談をし、もしかしたら交換や返品になるかと思います。

何をやっても駄目な場合、色々な加工を加えてみて、改善を試みるのも一つの手です。

それなりの量で削らないと、改善出来ない場合がありますし、そこまでやっても改善出来ない場合がありますが、何もしないで不満が残るより、やれる事をやった方が良いと思います。

製品は全てにおいて、完璧に作れる程、刃物の世界は甘くないですから、ある程度の範囲までは、そういうものだと思ってあげる必要もあると思います。

 

2024年4月10日 (水)

高得点

先日作業をして納品をしたものは、自分の中では高得点でした。

もちろん普段から、高得点狙いで作業を行ってはいますが、刃物の性能であったり、微妙な範囲の事などで、どうしても不可能な場合が多くあります。

ですから、高得点と堂々と言える作業が出来た時は、非常に嬉しいですし、お客様に安心してお返しが出来ます。

作業は早くやっても遅くやっても、結局は同じとおっしゃる方もいらっしゃいますが、そんな事はありません。

ほぼ同等に感じても、細かい所まで見て感じて、それを良い方向へ変えられるかどうかで、その先の良さが変わります。

全ての作業に対して、そういう時間と労力を使える訳ではありませんが、ご依頼の内容と代金と納期次第で、そういった事は可能です。

色々と作業を進めていくと、細かい所でもう少しこうしたい・・・が出てきますが、それを最後までやる事は、時間も利益の関係もありますから、どうしても出来ない事の方が多いです。

こんなお話をすると、普段は手抜きをしているとか、適当にやっているとか、勘違いでそう思われてしまうかもしれませんが、そういう事ではありませんので・・・。

 

2024年4月 9日 (火)

久しぶりに加工を・・・

ある作業で使う為のものを作りました。

特に決まっている訳ではないのですが、今回は木材と人工大理石を使い、2種類作りました。

過去の作成だと、良く使う材の端材として、朴(ほお)の木を使った事がありますが、今回は樫(かし)です。

かなり硬く、皆さんが知るところだと、木製ハンマーに良く使われますし、あとは玄翁やハンマーの柄材としても使われますね。

硬く加工が大変なので、機械カットと機械で削りを行いました。

人工大理石は樹脂系の高硬度ものですが、やはりこちらも、カットと削りは機械です。

30分くらいかかったと思いますが、無事に完成しました。

普段から作り慣れていれば、もっとは早く終わりそうですが、機械の準備から入って作業をしますので、結構時間がかかります。

今まで使っていた物は、使用で小さくなってしまったので、これでまた使いやすく、良い作業になってくれる事を祈ります。

無い道具は全て手作りですから、加工機械が無いと大変な事になります。

余計な負担体に与えると、重要な作業の時に感覚がおかしくなったり、動作が思うように出来なくなる可能性もあるので、なるべく負担をかけないように気を付けています。

 

2024年4月 8日 (月)

常連様の特権

通常のご依頼に対しては、HPに記載の内容までとなります。

それ以外のものは、ご要望があったとしても、あまりご提供は出来ません。

理由は様々ですが、ほとんどの場合、通常作業としていない事には、しっかりと理由があります。

それでも常連様からのご依頼で、金額や納期は任せるから特注でやって欲しい!と言われれば、お受けするケースはあります。

当方は色々な刃物の作業を取り扱っていますので、一種類の刃物だけを扱っている所と比べると、作業の準備や段取りとして、厳しい内容もあるのです。

その為、それらは出来たとしても除外し、通常の作業には含めていません。

稀にではありますが、作業可能な内容としてHPに掲示をしていないのに、当たり前のようにこの作業をとおっしゃる方もいらっしゃいますが、そういったケースでの対応は、基本的には行っていません。

まして初めてのご利用の場合ですと、当店の基本としてご提供をしている技術もご理解を頂いていないですし、それとの比較も分からないと思いますので、おすすめも出来ません。

ですので、明らかに常連様という範囲でご利用を頂いている方以外では、そういった形でのご依頼はお受け出来ませんので、予めご了承くださいませ・・・。

 

 

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